私が訪問看護師になった理由

こんにちは。ハレ訪問看護リハビリテーション管理者・看護師の山崎です。

今回は私が訪問看護をやりたいと思った理由についてお話したいと思います。

新人看護師だった頃に出会った一人の患者様

大学病院にいた頃の患者様で忘れられない患者様がいます。30代の女性で子宮癌の末期の方でした。

お子さんもまだ小学生で、本人も家族も病気の受け入れが困難でした。その方はいつも看護師に言いました。「死にたくない。家に帰りたい。」と。

大学病院では中学生以下の子どもの面会制限があり、お子さんは病室に入ることが出来ませんでした。

ある日、本人の希望もあり家に訪問看護を入れて帰ろうという話になり、全部の支度を整え、看護師全員で彼女を見送りました。

しかし10分後その方は病棟に戻ってきました。

一歩外に出たけど外にでたら急に怖くなった。家に看護師さんがいない。なにかあったらどうしようって。やっぱりここにいます。私まだ死にたくないんです。

そうしてもう一度入院生活が始まりました。彼女は最期まで家に帰りたいと言い、ご家族も現状の受け入れが困難でした。

この患者様を通して、いつも思うことは、家に帰りたいという想いを叶えたかったということです。

きっとお子さんにも伝えたいことがいっぱいあっただろうし、ご家族ともっと一緒に過ごしたかったのではないかと思います。

しかし家に帰るのが不安という思いを取り除くことが出来ませんでした。

ご利用者様が良く生きられる看護師になりたい

私はとても悔しかったです。だからこそ訪問看護をやりたいと思いました。彼女は私に言いました。

私は若いころから子どもが欲しくて、子どもが出来たときはほんとにうれしかった。若い頃は親にもたくさん迷惑かけちゃったけど、母親になって初めてもっと親孝行しなきゃと思いました。

娘にも伝えたいことがまだたくさんある。もっと家族と一緒にいたい。当たり前の日常が当たり前じゃないと気付いたから、家に帰って日常を送りたい。まだ死にたくない。

その時の私はまだ看護師になったばかりで、何もできず、無力でした。

だからこそ今思うことは、彼女にとって当たり前じゃない日常生活を支えたかった、大切な人と大切は話をたくさんしてほしかった、ということです。

私は私たちの仕事をただ点滴を投与する、おむつ交換をするだけの仕事とは思いません。

私たちの仕事はご利用者様の大切な日常生活を支え、さらによりよく生きるお手伝いをする仕事だと思っています。

よりよく生きるとは、良い時間を多くもつことだと思います。だからこそハレは良い時間を過ごすお手伝いをしていきたい。

それはご利用者様に限らず、ハレにいるメンバー、ケアマネージャーの方、医療機関の方、地域の方々などハレに関わる全ての人たちを対象にしています。

まだまだスタートしたばかりのステーションですが、ハレに関わる全ての人たちに感謝し、今後も成長していきます。

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