「終末期の方への関わり方」というテーマで定例の勉強会を行いました。
こんにちは。看護師の山崎です。
ハレ訪問看護リハビリステーションでは、毎月テーマと担当者(看護師・療法士)を決めて勉強会を行っています。
7月の定例勉強会は前田PT(理学療法士)でした。
「終末期の方への関わり方」というテーマで具体例をもとに皆で勉強会を行いました。
実際に「終末期のリハビリってなにをやるの?」と疑問に思われる方も沢山いらっしゃると思います。そこで今回は、今回の勉強会の内容をご紹介したいと思います。
是非参考にしてみてください!
最初にあるご利用者様の事例をご紹介させていただきます。
ご利用者様は、80代男性で独居の方でした。
もともと広範囲脊柱管狭窄症で訪問リハビリを実施しておりました。訪問看護で介入して1年経った頃、がんステージ4が見つかりました。
医師からの診断後ご利用者様より
「このまま自宅で暮らせるのか?暮らしたいけど不安。」
「一人でいる時何かあったらどうしよう。」
「息苦しいときがある。」
「色々紹介してくれるのは有難いけど、今さら知らない人と関わりたくない、疲れる。」
などのご要望を頂きました。
これを受け、少しでも楽に安心してご自宅で過ごして頂くために理学療法士として以下のような介入を行いました。
・臥床姿勢や車いすの見直し
・セコム感知サービスの導入
・ADLや細かい動作の見直し(予後予測)
・下肢の倦怠感に対してストレッチ、希望があれば立位も実施
・募金活動のための外出介助
・美味しいコーヒーが飲みたいという要望をかなえる
・ゆっくりお話を聞く
結果的に最期まで病院に戻ることなくご自宅で過ごして頂くことができました。
この事例から
・理学療法士という職種以前に人と人との関り合いだということ
・ご本人が望めば多少負担になる運動であっても張り合いになる
・要望を言ってもらえるような信頼関係をつくることが大事
・体調に合わせた関りができるような全身状態の評価の必要性
など終末期のリハビリの必要を改めて学ぶことが出来ました。
また前田PTは、この事例を受けて緩和ケアの勉強会にも参加し
・終末期にもQOLを高めることは可能であること
・沈黙の重要性
・緩和ケアでできることは「苦しみ」を軽減することと「支え」を強めること
などを学ばれたそうです。
看護師である私にも勉強になることが多く、なによりご利用者と信頼関係を築き、ご本人のご要望に合わせていろいろな提案・介入を行った前田PTは、本当にすごいなと感じました。
ちなみにそこのことを前田PTに伝えたところ「私、しつこい性格なんです。」と笑っていました。😊
そんな前田PTだからこそ、このような介入ができたのだなと思い、今回共有してくれたことで全員の学びになったと思います。
ハレ訪問看護リハビリステーションの定例勉強会は、このブログでも定期的ご紹介させて頂ければと思っています。